ニッケイ新聞 2013年6月7日
昨年退任したカルロス・アイレス・ブリット前最高裁長官の後任として、ジウマ大統領が5月に指名した弁護士のルイス・ロベルト・バローゾ氏(55)の連邦最高裁判事への就任が5日、上院で承認された。6日付エスタード、フォーリャ両紙が報じている。
5日夜、上院の憲法・法務委員会で諮問を受けたバローゾ氏は、その後の上院本会議で賛成59票、反対6票で最高裁判事に承認された。この後ジウマ大統領の任命を受け、正式に任職する。
承認後、感極まった様子を見せた同氏は、昨年11月に就任したテオリー・ザヴァスキバローゾ判事同様、メンサロン事件の判決内容に異議を唱えており、同事件上告裁判に影響を与える可能性があるとみられる。
同委員会での諮問中、バローゾ氏は「自分の投票は政府にも、マスコミにも、被告にも、世間の声にも影響されない。自分が正しいと思ったことを実行する」と宣言すると共に、昨年中の最高裁の判例に関して「伝統的な線に沿ったものだが、メンサロンの判決は〃特別に〃厳しいものだという結論に達した」と述べるにとどめた。
昨今の最高裁と議会の対立に関しては「政治の判断があるところではそれを尊重し、ないところでは司法が解決する必要がある」とし、最高裁が議会で可決されたものに関して精査するのは例外的であるべきとの見解を示した。
バローゾ氏の就任により、昨年11月のブリット前長官退任以来、半年以上続いた空席が埋まり、本来の11人体制へ戻ることになる。