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米州人権委員会にブラジル人=ヴァヌッシ元長官を選出=国際機関での発言力拡大

ニッケイ新聞 2013年6月11日

 米州機構(OAS)人権委員会(IACHR)の委員3人が6日に改選され、ブラジルのパウロ・ヴァヌッシ元人権特別局長官が選出されたと7日付伯字紙が報じた。
 米州人権委員会は11年4月1日、パラー州アウタミラのシングー川に建設中のベロ・モンテ水力発電所の建設に関する許可審査や工事の即時中止要請を決めており、同5日に正式な文書が届いて以来、ブラジル政府との関係が悪化。ブラジル側は、15日以内とされた釈明を行わず、同年10月26日には同委員会開催の審問参加も拒否した。ブラジルはOASに派遣していた大使も召還しており、ブラジル大使不在の状態が今も続いている。
 ブラジルの人権問題関係者や外交筋は、今回のヴァヌッシ氏選出はブラジルの人権問題への姿勢が受入れられ、地域内でリーダーシップをとるべき存在と認められている証拠と肯定的に評価。人権委員会とブラジル政府の和解が成立したとの見方も広がっており、OASへの大使再派遣も近いようだ。
 サンパウロ州出身のヴァヌッシ氏は1950年5月生まれの63歳で、05〜10年にルーラ政権の人権特別局長官を務め、現在はルーラ研究所の理事の一人。サンパウロ総合大学(USP)通信・芸術学部卒で、修士号は政治学で取得したジャーナリスト兼政治家だ。
 ヴァヌッシ氏と共に選ばれた米国のジェームス・カヴァラロ氏とメキシコのジョゼ・デ・ジェスス・オロスコ氏の任期は14年1月から17年12月まで。
 ヴァヌッシ氏はルーラ前大統領と近しい関係にあり、労働者党(PT)との関係も深い。このため、メンサロン事件で有罪となった被告が人権委員会に告訴すれば有利に働くとの見方もあるが、同委員会では自国の問題への審議参加を認めておらず、ヴァヌッシ氏がブラジルに関する問題に関する議論や分析、決定には参加する事はない。
 ヴァヌッシ氏選出は、世界貿易機構(WTO)のロベルト・アゼヴェド大使が事務局長に選ばれたのに続く快挙。10日付アジェンシア・ブラジルによれば、国際機関へのブラジル人選出は、11年5月の国連食糧農業機関(FAO)のジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ事務局長以来、国際コーヒー機関、国連人権委員会、米州人権裁判所、女子差別撤廃委員会、米州司法委員会、化学兵器禁止機関、など、多種多様な分野で続いている。

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