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沖縄県人会=不明だった4万4千レ説明=臨時総会で収支報告承認=「透明性高い会計になった」

ニッケイ新聞 2013年6月11日

 県人百周年記念事業のための4万4千レアルの収支報告が明朗でない等と指摘され、2月24日の定期総会では紛糾した沖縄文化センター及び沖縄県人会(田場ジョルジ会長)は9日午前、サンパウロ市の同県人会館大サロンで改めて臨時総会を開催し、今回はすんなり承認された。大城竹友評議員会長は最後にマイクを握り、「定期総会では混乱し、遠くの支部から心配する問い合わせがあったほど。あの時は説明が足りなかったが、県人会は正しくやっていると今日は改めて確信した。周りの会員にもそう伝えて欲しい」と勧めた。

 定期総会では収支報告に四つの不明点があると指摘され厳しく追及されたが、執行部からは「一般会計に組み込んだ。明細は事務局にある」とだけ説明されていた。
 臨時総会では島袋栄喜第1副会長から次のように発表された。(1)育英資金から県人会へ貸し出した4万540レアルが支出項目に正しく計上されたものを報告し直した。(2)百周年の余剰金4万4208レアルに関しても今回は詳しく使途が説明された。(3)雑費約1万3千レアルも計上され「多すぎる」と指摘されていた点も、今回は6528レアルだけとなり、減った分は「清掃用品」「警備費」などの独立した項目で計上された。
 (4)昨年7月の「郷土祭り」(ジアデマ)で、「沖縄県人会」側会計では赤字なのに、「沖縄文化センター」側では約1万6千レの黒字になり、収支不一致に見えた件に関しても整合性のある説明が行われた。
 質疑応答では赤嶺園子さんから「会館未許可使用の罰金として1万2540レアル支出している件に関して説明を」と催促され、前会長である与那嶺真次さんから次のように説明された。05年時点でサンパウロ市役所から建物許可申請するようにとの通達があったが、当時の県人会職員が理事に知らせず、県人会の銀行口座が突然凍結される事態になり、解除するために支払った経緯があったという。
 与儀昭雄議長が出席者約50人に呼びかけてその場で収支報告が拍手承認され、「これで透明性が高い会計になった。大変満足している」とのべた。与那嶺前会長は「4万4千レアルのうちポ語百年史出版に1万9千レアルを使い、3500冊を無料で配布した。1冊当たり5レアルで作ったことになる。その分、ボランティアで協力してくれた皆さんに感謝したい」と語った。
 また、辞任により空席となっていた第2会計理事には平良栄子さんが選ばれた。サントアンドレー在住の金城徹さんは「1963年から毎年欠かさず定期総会に出席しているが、この前の総会はがっかりした。今回の臨時総会も大事な案件を審議したのだから、もっと出席者が多くてもよかった」と意見した。