ニッケイ新聞 2013年6月13日
14年6月12日〜7月13日開催のサッカーW杯まで1年を切り、12日付エスタード紙が開催地毎のスタジアムや周辺整備の状況を報じた。12のスタジアムはどれも国際サッカー連盟(FIFA)との今年末までに改修や拡張を終える見込みだが、空港や会場周辺の交通網などの整備については、予断を許さない所もありそうだ。
14年W杯は第20回の記念大会で、ブラジルでは1950年大会以来、64年振りの開催だ。12日にはリオ市コパカバーナでカウントダウン時計が披露され、前哨戦のコンフェデレーションズ杯も15日から始まる。
07年10月の開催決定以降進められてきた諸準備について、エスタード紙は、スタジアムの建設や改修工事は大過なく進んでいるが、空港の拡張工事や都市部の交通網の整備などは一部に不安ありと評価。本番の半分の6会場で15日から開催されるコンフェデ杯は、会場内外の施設や、警備その他の要員が十分に整っているか否かの重要な判断材料となる。
スタジアムの建設や改修は、コンフェデ杯6会場(リオ、ベロ・オリゾンテ、ブラジリア、フォルタレーザ、レシフェ、サルバドール)が100%、残る6会場(サンパウロ市とクイアバ、クリチバ、マナウス、ナタル、ポルト・アレグレ)の工事も6割以上終了と報告された。開会式会場となるサンパウロ市のイタケロンの工事は79%が終了しているという。
連邦政府は、法務省や国防省を中心とする警備体制整備に18億レ、通信関係に3億7100万レ、71の観光客対応センター建設や教育省と提携した人員養成などの観光関連事業に2億800万レをつぎ込む予定だ。
空港整備では、サンパウロ州グアルーリョス空港が収容人数を年3500万人から6千万人に、同ヴィラコッポスも1400万人に、リオのガレオンも11年実績の1740万人を14年には4320万人にといった具合で拡張工事中だが、ベロ・オリゾンテやフォルタレーザでは拡張規模の縮小や工事の遅れが見られる。
市内交通ではブラジリアやフォルタレーザ、クイアバの軽量電車網建設が遅れたり中止となったりした他、高速バス用道路新設や既存の道路拡張が遅れている所がある。
宿泊施設に関しては、最も多いサンパウロ市が既に有するベッド数4万2千に2千増設の見込み。100キロ圏内のグアルーリョスやサントス、カンピーナスなどは更に8万を有している。決勝など7試合開催のリオは3万3千を3万8千強に、レシフェ市外も含め計6万8千を有すペルナンブコ州も14年には8万1千になど、大半の都市で施設拡張や増設を実施中だが、ブラジリアではホテル建設の入札規定が発表されたものの入札はまだだ。フェルタレーザでは増設計画もないという。