ニッケイ新聞 2013年6月13日
日立製作所が5日、サンパウロ市に日立ブラジルR&Dディビジョンと称する研究所を開設したと8日付エスタード紙が報じた。
日立というと電化製品の会社というイメージが強いが、世界で七つ目となる新研究所では、現地に即した研究開発やブラジルの大学と連携した先端技術研究を目標に掲げ、ブラジルが世界的に優位に立つ農業や鉱業部門に関するビッグデータを整理・活用し、作業の効率化に繋ぐための新技術や新製品の研究開発も行う。
ブラジルにおける交通や電力供給の課題の分析と対応策の提供も研究課題の一つで、広範囲に渡る研究開発で、2012年は3億7千万ドルだったブラジルでの年商額を15年までに15億ドルにするという意欲的な目標達成を支援する事になる。
日立製作所はこれまでもカンピーナス大学などと交流を進めており、新しい研究所設立で、国内の大学や企業、ブラジル政府と連携した先端研究にも弾みがつく見込みだ。
日立製作所は、リオ市〜サンパウロ市〜カンピーナス市を繋ぐ高速鉄道(TAV)建設と運営を巡る入札にも、日本のコンソーシアムの一員として参加する事が確実視されている。