コラム　オーリャ！

ニッケイ新聞　２０１３年６月１９日

　「ネイマールより教師のほうが価値がある」。１７日に全伯的に行われたマニフェストで、冒頭の標語が叫ばれていたと新聞で読み、「確かにそうかも」と思った。
　コラム子が通う大学の友人らは大半が「その通りだと思う」と賛同し、「国が発展するための素晴らしいイベントのように政府は言うけど、バカみたい」と口を揃える。
　本来なら、整備が不十分な教育や医療にまわすべき公的資金を、スタジアム建設などにつぎ込んでいることへの反発だ。毎日ニュースを見ていると、当地の基本的な社会基盤が弱いことがいやと言うほどわかる。
　経済成長が一部の人にしか利益還元されず、格差が広がり犯罪が増えているとの説もある。当然デモには政治的な意図もあるだろうが、派手なスポーツ報道とは裏腹に、Ｗ杯や五輪への国民の視線は意外に冷静なのだと実感した。（詩）