コラム　オーリャ！

ニッケイ新聞　２０１３年６月２２日

　ブラジリアでのコンフェデ杯日伯戦の会場に向かう道中でのこと。車両進入が規制されたスタジアム前の大通りを歩いていると、飲み物売りのオヤジに声をかけられた。
　「今日は日本が勝つぞ、１対０だ」。大声を張り上げる彼に近づくと、嬉しそうに「俺はフラメンギスタ」「（チームのスターだった）ジッコが日本にいたことは知っている」と矢継ぎ早に語る。どうやら嫌味ではないようだ。
　彼に限らず、会場では日本を応援するブラジル人の姿が見受けられた。ファンではなくとも、日本チーム、サッカーに肯定的な印象を持つ人の数は非常に多いように感じた。
　試合前日に取材した、原博実日本サッカー協会技術委員長の「移民の歴史はもちろん、サッカーにおける人材交流により日伯の絆はさらに強まった」との言葉を思い出した。改めて納得、一人にやけた。（酒）