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「コロニアの誇り」堂々と=文協白寿者表彰に32人=10人が矍鑠と出席

ニッケイ新聞 2013年6月25日

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)主催の『ブラジル日本移民105周年記念 白寿者表彰式』が23日に文協ビル大講堂で開かれ、本年度に99歳を迎える32人(本人出席10人)が表彰を受けた。受彰者代表として自らの足で壇上に立ち、堂々と謝辞を述べた伊津野敬嗣さん(熊本)には、総立ちになった約6百人の来場者から拍手が送られた。

 来賓には、在サンパウロ日本国総領事館の福嶌教輝総領事をはじめ、飯星ワルテル、安部順二ら各日系議員、日系団体関係者らが出席した。授彰者らには、来賓から賞状と記念品、金一封が手渡された。
 謝辞に立った伊津野さんは「人生50年と言われるが、いつの間にかその2倍の100歳を目前に控える歳になった。頭は変になり、耳も遠く、足もヒョロヒョロ。それでも生きているのは、皆さまが本当にお世話してくれたから。これからも世話になります」と話し、来場者は満面の笑顔で大きな拍手を送った。
 小笠原仁恵さん(長野)は「よく長生きしたもんだ」と感慨深げに話した。101歳の夫・正好さんの介護をしながら、台所仕事までこなす。「父は農作業中に事故を起こして55で、母は乳がんになって45歳で亡くなった。(早世しても)ずっと見守ってくれているのかな、ここまで来られたのも彼らのおかげなのかな、と改めて感じる」と心境を語った。
 「母はおしゃべりが大好きで、頭もまだまだしっかりしている。今日来られないことを非常に悔しがっていた」と話したのは、足の怪我の影響で欠席した金城ツルさん(沖縄)の代理として出席した、娘の竹田秀子(75、同)、大城志子さん(73、同)姉妹。「90歳まで家の庭で野菜を作っていたほど活動的な人。明るくて私たちを元気にしてくれる母は、私たちの誇り」と胸を張った。
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 受彰者32人は次の通り(敬称略)。
 小笠原仁恵(長野)、池森敏子(広島)、市脇千香(愛知)、山本竹子(高知)、飯田きみ(茨城)、伊津野敬嗣(熊本)、相原ハル(福岡)、藤堂勝次(岩手)、小芦登(佐賀)、田鍋義美(100、高知)、金城ツル(100、沖縄)、さいおう・なつ(100、長野)、野キヨ(100、北海道)、武田一文(大分)、箕輪正七(長野)、瀬尾数一(大阪)、大関まさみ(宮城)、立花三二子(北海道)、亀谷たつ(沖縄)、狩野静子(宮城)、イトウ・マツエ(サンパウロ州アルト・アレグレ)、豊田スギ(栃木)、諸富寅雄(熊本)、上田光明(大分)、田中進(愛媛)、武智静子(愛媛)、伊豆味さち(沖縄)、浦田登記(福岡)、四釜ちょう(山形)、仲宗根キヨ(沖縄)、あかみね・おと(沖縄)、小笠原きよ(愛知)。