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コンフェデ杯=惜敗日本に大声援送る=響き渡るジャポンコール=会場を包む親日ムード

ニッケイ新聞 2013年6月25日

 【ベロオリゾンテ発=酒井大二郎記者】22日のコンフェデレーションズ杯・メキシコ戦に破れ、予選グループ3連敗に終わったサッカー日本代表。それでも、試合開始とともに「ジャポン」コールが沸き起こり、その数は前半だけで11回に上るなど、会場となったミネイロン・スタジアムは親日的な雰囲気に包まれた。
 5万人以上の観衆が詰め掛けたスタジアムには、多くの日本代表ユニフォームを着たブラジル人が見受けられた。一見中立に見えた観客の多くも、日本のチャンスに大きな歓声を上げる様子が目立った。
 「僕らからではなく、(ブラジル人から)始まるコールに驚かされた。小さい子供たちまで、自分から声を張り上げていた」。試合終了後、日本チームの応援に駆けつけたサポーターの一人、岡田太さん(静岡、43)がそう話した通り、声援の主体となったのは間違いなくブラジル人だ。
 試合前の会場には日系人の姿も目立った。「僕は日本生まれ。1歳までしかいなかったけど、ブラジルより日本の文化に親しみを感じる」と話したのは、大阪出身の近藤ラファエルさん(18、三世)。母・ドーラさん(48、二世)とともに日本代表のシャツを纏い、日の丸の国旗を誇らしげに掲げて見せた。
 三世の妻・ハルミさん(43)と娘のユウミさん(18)とともに、白地に赤という日の丸カラーで来場したロジェリオ・ベリニョさん(48)は、20年前の約1年半をデカセギとして新潟県で過ごした。
 「俺はブラジル人だけど、日本を愛している。やっているサッカーも素晴らしいけれど、何より文化が好き。結婚して、実際に住んでみてさらに親しみが沸いた。いつだって日本を応援している」とカタコトの日本語を交えて興奮した面持ち話した。
 また、3対4と惜敗したものの、好ゲームを展開したイタリア戦(19日)も、親日ムードの醸成に拍車をかけたようだ。
 真新しい青い背番号10を身に着けたオモニ・ルイスさん(34)は、イタリアとの試合を観戦し、ユニフォームの購入を決意したという。
 「本当は4番(本田圭佑選手)が欲しかったんだけどね」と照れ笑い。「一番はもちろんブラジルだけど、今日は日本を応援するよ」と笑顔を見せた。
 同市市役所に特設されたW杯担当局のロザナ・モンテイロ局長は本紙の取材に「(イタリア戦で)日本は素晴らしい技術とガッツを見せた。この町の市民は皆好感を持って、日本を応援する」と好意的に話した。