ニッケイ新聞 2013年6月26日
ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)主催の『第48回コロニア芸能祭』が22、23の両日に文協ビル大講堂で開かれた。日舞、太鼓、民謡、長唄、琉球舞踊など100以上の多彩な演目が約70団体の出演者によって披露、2日間で約2500人がコロニアの祭典を堪能した。
白寿者表彰の後に行われた2日目の演目は、大正琴聖会の琴和楽からスタート。壇上に上がった13人が「花」「長良川艶歌」「真赤な太陽」の3曲を情感たっぷりに演奏した。
花柳流なでしこ会からは、同会最年少の井口明さん(10、四世)が登場。切ない母への想いを歌った「母恋三味線」を情緒ある踊りで表現。
5歳の時から指導を続ける同会の花柳寿美富代代表は「それぞれの踊りに合わせて〃感じ〃を出せる若い子は少ない。今日も良かった」と満面の笑顔。井口さんも「緊張したけれど、良く出来た」とはにかみながら感想を語った。
玉城流小太郎会大嶺初枝琉舞道場の8〜15歳の門下生13人は、元気一杯に「ゆいまーる」を披露し、会場を大いに盛り上げた。
メンバー最年長の比嘉ナミエさん(15、三世)は琉球舞踊歴6年。祖母の影響で沖縄文化に興味を持った。「琉舞は私にとって非常に大切なもの。これからも続け、もっと上手になりたい」と笑顔で汗をぬぐった。
「毎年観覧を楽しみにしている」という八木静代さん(76、兵庫)は、大正琴の奏者として舞台にも上がった。
「若者の活躍は本当に嬉しい。特に琉球舞踊は活気があって見ていて楽しいもの。雰囲気がほかの演目とは違って、同じ音楽をやるものとして勉強にもなる」と感慨深げに話した。
祭典実行委員長を務めた頃末アンドレ文協理事は「会場が満員になるのは本当に嬉しい。観覧者、参加者ともに若い非日系が増えていることは日本文化がブラジル社会に浸透している証拠であり、未来を感じさせる」と満足げな表情を見せていた。