ニッケイ新聞 2013年6月27日
全国に広がったデモで表明された国民の〃不満〃への対応策として、ジウマ大統領が24日に発表した公約の一つである医療機関の整備などの保健行政改革の加速に関し、アレシャンドレ・パディーリャ保健相が25日、外国人医師を含む一万人の医師の採用案についての詳細を発表した。26日付エスタード紙が報じた。
特に対応が不十分な地域の公的医療機関で働く意欲のある外国人医師には保健省が航空券を出し、3週間当地で研修と評価を行なった結果、勤務するに値するとみなされた人が実際に現場に入るという。
詳細はまだ検討される必要があり、実際の公募時期なども未定だが、同大臣によれば今年中には研修を開始したい意向だという。ただ、ブラジル人医師を優先して採用する意向だと付け加え、「外国人医師との競争が起こるということは無い」と話している。
医師の公募は各市長の要請に沿う形で行なわれるが、UBS(保健所)をもつ市のみが要請可能となる。
なお、今後は医師の採用を3万5千人まで拡大する見込みだといい、この他に医学部の新設や研修医増枠などのプロジェクトも発表された。研修医の枠は2017年までに1万4千人分増やすとされ、今年は2千人分の増枠を目指す。
当初予算には1億レの投資が見込まれており、研修医の奨学金にとどまらず、医療施設の拡大にも投資するという。
なお、大統領の公約に含まれた石油生産に伴うロイヤルティを100%(岩塩層下の石油に関しては50%)教育に回すという案は、25日に行われた下院での審議で、75%を教育、25%を医療関係に回すと修正された上で承認された。ロイヤルティの収益は国家教育計画用資金に組み込まれる。