ニッケイ新聞 2013年6月28日
Jリーグ・ガンバ大阪で長くプレーし、「ミスター・ガンバ」の愛称で親しまれる元サッカー選手の松波正信さん(38、岐阜)が10日に単身来伯し、約2週間の日程で当地のサッカー事情を視察した。
2005年の現役引退後は指導者、解説者として活躍。12年3月から同年のシーズン終了までは、同クラブの監督を務めた。
指導者としてのさらなる成長を目指し、「サッカーの原点をみたい」との思いから今回初めて来伯した。サンパウロ市近郊のサッカークラブを中心に、トップリーグから育成年代までの試合を観戦、コンフェデ杯日本戦2試合にも足を運んだ。
昨年日本で開催された『FIFAクラブW杯』の優勝チームであるコリンチャンスの練習も訪問。トレーニングを見学するとともに、アシスタントコーチとの対談も行った。
「『個人的で、攻撃的』といった印象が強かったのが、話を聞いていて、より戦術を重要視した現代的なサッカーを志向しているのだなと実感した」との感想を語った。
日系社会についても「カズさん(サントスFCに所属した三浦知良)のいた国を見てみたいという思いはあった。ここ(東洋人街)を含め、話に聞いていたところを見て回るのは楽しかった」と感慨深げに話し、「色々なところで『日本人だから』と一目置いてもらえたのは、やはり移民の方々がブラジル社会で存在価値を認められてきたからでは」との印象を語った。