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全国で脱獄事件が2万件=超満員の現状は変わらず

ニッケイ新聞 2013年6月29日

 検察庁が26日、全国1598の施設で12年3月〜13年2月に起きた脱獄、脱走事件は2万310件と報告したと同日付G1サイトなどが報じた。法務省によると、12年12月現在の投獄者は54万8千人で、前記1598施設には82%弱の44万8969人が収監されている。
 2万310件の中には許可を得て外出したが期日後も戻らなかった例も含まれており、3734人を再逮捕、7264人が自らの意思で施設に戻った。同期間中には暴動も121回起きており、内、人質をとった事件が23回あった。
 ブラジルの刑務所は超過密状態で、収監者数は平均しても本来の許容人数の1・5倍に達している。このため、収監者用のベッドが不足している施設がほぼ半数、3分の2の施設では水でシャワーを浴びているという。
 79%の施設は刑が確定した犯罪者と裁判を待つ容疑者を区別せずに収監し、昼は外出出来るセミアベルトと外出不能な犯罪者を区別してない施設も67%ある。同一組織の犯罪者を一緒に収監している施設は82%、構内で麻薬が押収された施設も40%あった。
 ポルト・アレグレの判事の一人は、所内の日常を収監者が支配している施設もあると報告しており、ジウマル・メンデス最高裁判事も2万件を超える脱獄事件が起きている現状への懸念を表明。法務省と各州保安局、国家法務審議会、国家検察審議会が協力して対策を採るべきだと主張した。