ニッケイ新聞 2013年6月29日
今週末、ついに決勝戦を迎えるサッカーコンフェデ杯。W杯のプレ大会として日本からの注目度も高く、世界中のメディアが大会模様を取り上げてきた。
そんな中、著名なサッカーライター・中田徹さんが書いたコラムに気になる一文を見つけた。
メキシコ戦後、地下鉄で乗り合わせた青年に、ブラジル人が日本へ大声援を送った理由を尋ねた際「その理由に明らかなものがあるわけじゃない。ただ、ブラジル人の多くは日本人が好きだし、日本のサッカーにもシンパシーを感じている」との回答を得たという。これに対し、中田さんはより深い言及を加えていない。
しかし、この「理由のない」好意こそ、105年前に始まる移民が築き上げてきた信頼を裏打ちするものではないか。コロニアを知らなければ気付けない視点なのだと、改めて実感した。(酒)