ニッケイ新聞 2013年7月2日
移民画家の草分け的存在である半田知雄さんの人生を、本人が書き残した30冊以上に及ぶ日記を手がかりに追った『移民画家 半田知雄 その生涯』(田中慎二著、493頁)の出版記者会見が先月26日、サンパウロ人文科学研究所で開かれた。
半田さんと1960年代から親交のあった著者の田中さんが、移民百周年を記念して始まった先人の軌跡を後世に残す事業「人文研叢書」の第9号として、人文研関係者から執筆を勧められたことがきっかけ。約1年半で完成に漕ぎ着けた。
11歳で家族とともにファゼンダに入った少年時代から、〃コロニアの良心〃と呼ばれた晩年までの一生が、日記での本人の言葉に解説が加えられ、詳細に語られる。
会見に出席した田中さんは「長年親しく付き合ってきたつもりだったが、改めて知らなかった苦労がたくさんあったことがわかった。ぜひ手にとって、感じてみて欲しい」と話した。
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4日午後7時からは、サンパウロ市文協ビル9階の移民史料館(R. Sao Joaquim, 381)で出版記念会が開かれる。当日は60レアル、以降は日系書店などで70レで販売される。
問い合わせは人文研(11・3277・8616)まで。