ニッケイ新聞 2013年7月3日
サンパウロ市のラウレンセ・リン・ムラタ君(18)の夢実現か—。今年初め、米国カリフォルニアのスタンフォード大学に合格したが、入学金がなくて諦めかけていた彼の夢が実現しそうだ。
ムラタ君は米国の大学進学適性試験(SAT)で2400点中2350点という高得点でスタンフォード大学に合格したが、入学手続きに必要なお金がなく、実質諦めていた。
ところが5月6日付エスタード紙が窮状を知らせる記事を掲載した事で事態が急変。掲載当日、ある企業家から事務所に来るよう連絡を受けたムラタ君は、身も知らぬ人物から8万レアルを提供すると言われ、二の足を踏んだが、その人物は、「大学での学びや君の人生を見守りたい」と、その金額を大学の口座に直接振り込んだ。
ただし、篤志家からの8万レアルは4年間の学費の一部に過ぎず、BTGパクトゥアル銀行からの1万5千レアルの寄付を入れても、最初の1年分が満たされただけ。合格通知を受け取り、サンパウロ総合大学の電子科学・情報学科への入学を取りやめたムラタ君は、必要な経費が全て備えられ、9月に米国に渡り、同大での学びや研究を開始するための準備にかかりたいと願っている。
ムラタ君同様、米国の大学に合格したが、学費が不足している学生は少なくとも13人おり、篤志家の寄付1レアルにつき、BTGパクトゥアル銀行が0・5レアルを加算。フェイスブックで留学予定者の記事に「いいね」と書き込んだ人が1千人になると、200レアルが別途加算される。学費の補助を必要としている学生に関する記事はhttp://www.estudarfora.org.br/を参照に。(6月29日付エスタード紙より)