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『アルケミスト』原作者=パウロ・コエーリョ=伝記映画が来年にも公開

ニッケイ新聞 2013年7月3日

 日本語にも翻訳されている『アルケミスト』『ベロニカは死ぬことにした』などの著書で知られる作家、パウロ・コエーリョ(65)の幼少期からの生い立ち、青春時代を描いた伝記映画が、来年前半にも公開される。
 ドラッグ、セックス、ロックンロール—。世界ではブラジル人作家の代名詞のような存在で、ブラジル文学アカデミーの会員でもあるセレブ作家だが、自ら〃狂った日々〃(Crazy Years)と名付ける暗い青春時代を送ったことは、あまり知られていないだろう。
 タイトルは『道で立ち止まるな』(Nao Pare na Pista)。パウロ・コエーリョはリオの中流家庭の子供として生まれ、幼少時から文章を書くことに親しんだ。
 大学の法学部に進学したが、突然学業を放棄して放浪の旅へ。帰国後は流行歌の作詞を手がけるようになり、人気歌手のラウル・セイシャスに詞を提供。以降ともに楽曲制作を手がけた。
 70年代にはヒッピーに傾倒し、ブラジルの軍事独裁政権に対する反政府活動に関与したという嫌疑をかけられ、短期間投獄されている。その後はしばらくレコード制作を手がけるが、再び仕事を放棄して、世界を巡る旅に出ている。
 1987年に、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の巡礼の道を歩いた体験をもとに執筆した『星の巡礼』(O Diario de um Mago)で作家デビューした。
 演じる俳優のジュリオ・アンドラーデは「ラウル・セイシャスとの出会い、入院、投獄など、彼の人生を象徴する瞬間を描いている。彼のもつモラルを訴えかける作品になると思う」とコメントしている。(6月27日付エスタード紙、29日付フォーリャ紙より)