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コンフェデ杯を振り返る(2)=開催国としての諸問題

ニッケイ新聞 2013年7月4日

 コンフェデ杯中はデモ勃発による安全面の不安を指摘されがちだったブラジルだが、14年W杯に向けての運営面の不安はそれだけでは終わらない。観客、とりわけ遠方からやって来る観光客にとって不安な要素はまだまだ露見される。
 まずはチケットの発売方法だ。コンフェデ杯ではネットで予約しても事前の郵送作業がなく、会場での受け取りが原則となっていた。だが、購買者の側からして見ればチケットが直前まで手元にないというのは大きな不安材料になりうるし、5〜7万人規模の大スタジアムの観客の大半が一気にチケットを受け取りに行くとなると、試合開始前からの大行列は避けられなくなってしまう。
 また、スタジアム内部でも、飲食コーナーで長い列ができ、高額な上にすぐに売り切れてしまうという問題が伝えられている。スタジアムの中には携帯電話やネットが通じにくいところもある。
 また、スタジアムまでの交通機関が大混雑を起こす可能性も強い。今回は6都市での開催だったが、W杯ではそれが12都市となる。その中には強豪サッカークラブがなく、試合開催になれていないマナウスやクイアバーのような都市もあり、対策が懸念される。
 また、今回は国外からの観客が5%と少なかったものの、それが一気に増えることが予想されるW杯では交通問題に加え、宿泊の問題なども引き続いての検討課題だ。
 さらに、観客だけでなく、選手側の問題もある。6都市開催だったコンフェデ杯でさえ、選手からは広大なブラジルでの移動時間のつらさや、猛暑の北東伯と寒気の強い南東伯・南伯の気候の違いへの対処に苦しむ選手の声が漏れていた。12都市に拡大するW杯ではそれがさらに厳しくなるため、国際サッカー連盟(FIFA)は既に日程の厳密なチェックに乗り出している。より快適な試合環境の確保は選手にとっても重要な要素だ。