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パラチー国際文学祭が開幕=7日まで、デモもテーマに

ニッケイ新聞 2013年7月4日

 今年で11回目を迎える「パラチー国際文学祭」(FLIP)が、リオ州パラチーで3日に開幕、昨年同様、今年も2万人以上の来場が見込まれている。4日付エスタード、フォーリャ両紙などが報じた。
 同祭では毎年、祭典全体のメインテーマとなる作家を一人選ぶが、今年は、没後60年のグラシリアーノ・ラモス(1892—1953)だ。アラゴアス州出身、モデルニズモ(近代主義)期のブラジルを代表する作家の一人で、代表作の、北東部奥地の過酷な生活を描き出した小説『乾いた生活』(Vidas Secas)は映画化もされた。
 初日はエスタード紙文化面コラムニストでもある著名作家のミルトン・アトウム氏による講演、歌手ジルベルト・ジルのショーで開幕。国内外の作家や批評家、映画監督、ミュージシャンなど、約50人の芸術家を講師などに迎えて開かれる祭典は7日まで。
 予定されていた参加者のうち、フランスの海外県レユニオン出身の作家、ミシェル・ウエルベックが参加を見合わせ、かわりにイギリス人歴史家で美術評論家のJ・K・クラークがピカソについて講演する。他には、『乾いた生活』の映画監督ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス、ブラジル人詩人のパウロ・スコット、フォーリャ紙コラムニストの哲学者ヴァルジミール・サファトル、メキシコ人作家のフアン・パブロ・ヴィラロボスなど多数。
 テーマは文学にとどまらない。オメナージェンをするのが社会派作家で、政治家でもあったグラシリアーノ・ラモスだということもあり、今回は全国的に広がった〃抗議の波〃も含めた政治関連のテーマが多く、5日間を通してさまざまな講演やディスカッション、ワークショップ等が行われる。
 入場券は全て売り切れているが、SESCなどが主催するプログラムなど、チケットなしで参加できるイベントもある。詳しくはFLIPのホームページ(www.flip.org.br)で。