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政治家が公費で個人旅行=下院議長は〃一応〃返金

ニッケイ新聞 2013年7月5日

 エンリケ・アウヴェス下院議長(リオ・グランデ・ド・ノルテ(RN)州議)は、6月30日に開催されたコンフェデ杯決勝戦(ブラジル対スペイン)観戦のため、親族など7人をリオまで空軍機で連れて行ったが、3日にその費用として9700レアル(約42万6800円)を返金した。4日付フォーリャ紙が報じた。
 同紙の調べによれば、28日夜、同議長は空軍ジェット機C—99で州都のナタール市に親族を迎えに行き、その後に全員でリオまで行き、試合終了後の30日夜に再びナタールまで戻った。
 「間違っていたことを認める」と平謝りしている議長だが、9700レという金額は、ナタール〜リオ間の平常時の一般航空券額8人分で計算されたもの。空軍機は、この8人の輸送のためだけに発動された。
 フォーリャ紙が航空機の私用チャーターを行っている大手航空会社2社に取材したところ、コンフェデ杯決勝戦のあったあの日、リオとナタール間を8人が私用チャーター機で旅行した場合、最低15万8千レ(約695万2千円)かかるという。同空軍機には、議長とその息子、議長の婚約者ラウリッタ・アルーダさんとその息子2人、彼女の兄夫婦ともう一人が乗っていた。
 同紙は、8人が29、30日にかけてリオ観光もしたと伝えているが、議長は否定。自身は、政治情勢に関する協議のためにリオ市のエドアルド・パエス市長公邸に招かれたと弁明している。ただし、2人の公務の予定にその会合は含まれていなかったそうだ。
 政治家が空軍機などの公用機を私用の旅行に使う例は、これまでも何度か明るみになっている。
 ロナウド・サルデンベルグ元科学技術大臣は1996〜98年、6回にわたって個人旅行に空軍機を利用して訴えられたが、一昨年に無罪判決。クロービス・カルバーリョ元官房長官は空軍機で島へ旅行に行き、2万5千レを返金。ジェラルド・ブリンデイロ連邦検察庁長官は99年、リゾート地として知られるフェルナンド・デ・ノローニャ島に空軍機で行き、1万8千レを返金した。
 ジョゼ・サルネイ元大統領は上院議長だった2010年、マラニョン州の軍警ヘリで私用旅行。現役ではジェラルド・アルキミン・サンパウロ州知事が昨年、親族を迎えに行くために政府のヘリを利用している。