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エイケ・バチスタ=MPXとMMXを売却か=ぐグループの負債払うため=株価やボヴェスパも上昇=個人資産は大幅に減少

ニッケイ新聞 2013年7月5日

 【既報関連】石油・天然ガスの開発を手がけるOGXの経営不振や石油生産停止宣言などで、〃王国〃崩壊の危機にあるエイケ・バチスタ氏が、エネルギー会社のMPXの経営審議会から退き、同社売却でEBXグループの負債軽減を図ると4日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。市場はこの動きを歓迎し、MPX社の株価やサンパウロ証券指数(イボヴェスパ)は上昇に転じた。

 エイケ・バチスタ氏の頭文字をとったEBXグループはブラジル実業界を代表する企業集団だが、最大手のOGXがカンポス沖のトゥバロン・アズル油田での石油生産を2014年で停止すると発表した1日以来、OGXを始めとするグループ内企業の動きへの関心が国内外で高まっている。
 3日のOGXの株価は前日比13・33%減の0・39レアルとなり、今年に入って91%という驚異的な下落振りを見せた。OGXの問題は、石油生産量が予想を大幅に下回り、資金繰りが上手く行かないために、金融関係者の信頼も損なっている事だ。同社の不振はグループ企業全体の不振に繋がり、資金難で約束した事業も期日に遅れるなどして、国内外で信頼を失った。この事は、国外投資家の資本参加キャンセルなど深刻な事態も招いている。
 業績不振や赤字経営は全社共通の問題だが、比較的良好な状態なのがエネルギー関連のMPXと鉱業関連のMMXで、3日現在の市場価格は、OGX13億レに対し、MPX37億レ、MMX12億レとなっている。
 EBXは、グループ内で最も健全な状態のMPXとMMXを売却し、その収益を他社の負債返済に充てる意向だ。その第一歩がエイケ氏のMPX経営審議会退任で、退任発表後のMPXは、資本金を8億レから12億レに引上げた後、ドイツ系企業のE.ONがエイケ氏の持ち株の24・5%を購入。同社自身の持ち株比率を36・2%に拡大する。エイケ氏は2〜3カ月で株価が回復したら残りの持ち株も売却する意向で、10月にはXの入らない新社名発表の予定だ。
 MMXは、所有する鉱山から産出する鉄鉱石の質が悪いのが難点だが、スデステ港を持っているのが強みで、国内外の企業が関心を示している。
 EBX内でも小さい、金開発のAUXや石炭開発のCCX、不動産のREX、スポーツ関連のIMXは凍結状態とする予定だ。株価下落で市場価格もガタ落ちのOGXや港湾業務のOSX、運輸関係のLLX、金融業務のEBXは、規模を縮小した上で、経営を続ける意向だ。
 2012年5月2日付フォーブス誌が世界7位の億万長者と紹介した時のエイケ氏の資産額は345億ドルだったが、ブルームバーグ社は2日の時点でのエイケ氏の資産は41億ドル、4日現在では29億ドルと発表。ヴァロール紙は、グループ企業の再建が終わった時点での同氏の資産は10〜20億ドルになると推測している。