ニッケイ新聞 2013年7月5日
【既報関連】ジウマ政権の保険行政改革の一環として、医療インフラが脆弱な地域にブラジルの医師認定基準にそった試験を受けていない外国人医師招聘というプロジェクトに対し、全国各地の医療従事者が3日に抗議デモを行った。4日付フォーリャ紙が報じた。
デモが起きたのは、サンパウロ市、リオ、ベロ・オリゾンテ、フォルタレーザ、ゴイアニア、レシフェ、サルバドールなどの都市で、ブラジリアでは約200人の医師が保健省前に集まった。連邦医療審議会(CFM)によればこの日は全州でデモの予告があったが、暴力行為は確認されていない。
国内の医師らは「医師としての質に疑いの余地がある医者に貧しい患者を診察させるのはリスクが高い」と主張するが、ジウマ大統領は既に「デモの圧力に屈しない」と明言。同省は「外国人医師の招聘は緊急対策。外国人医師に試験を課せば、医師が不足している地域に限らず、好きな所で勤務する可能性がある」と説明している。
サンパウロ市パウリスタ大通りは、医師のデモに、ホームレス労働者と左派政党関係者のデモ、聴覚障害者向けの二言語対応の学校整備を訴えるデモ、医療行為を医師に限定する法案(Ato Medico)の上院での可決に反発する看護士や理学療法士など、五つのデモが行われ、約5千人に占拠された。