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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年7月6日

 東京・音羽の鳩山家は政界の名門であり、今話題の由紀夫元首相は4代目にあたる。戦後の復興に尽力し、独立に漕ぎ着けた宰相・吉田茂氏に病身を押して戦いを挑み日ソ交渉を成功させた鳩山一郎首相、3代目は大蔵省の事務次官になり、田中角栄氏が後継者候補の一人と期待した威一郎氏と—ここまではまあ一流の人物がいたが、4代目になると、同じ「鳩」なのだが—煮ても焼いても食えない▼この元首相の失言は今に始まったことではない。民主党が天下を取り首相に就任すや、沖縄の普天間基地を本土に移転すると語り、沖縄県民から大喝采を受けたが、そんなことは出来るわけがないし、早々に「申し訳ない」と陳謝し幕引きとなり、日本外交の基軸である日米関係も目茶苦茶にしたの前歴?もある。今年の1月には中国要人と会談し「尖閣諸島は係争地」と語り日本は大騒ぎになった▼このときに小野寺五典防衛相は「久しぶりに『国賊』という言葉がよぎった」と厳しく批判したが、こんな折角の諫言も、あの朴念仁にはまったく通じない。今度も中国まで出かけて行って尖閣は「中国から盗んだと思われても仕方がない」と語り、政界を始め国民レベルでも批難の渦が巻き起こっている。菅義偉・官房長官は「憤りを感じる。鳩山氏はこれまでにも無責任な発言で政治の混乱を招いた」と強く嗜めている▼鳩山氏は政界を引退したが、6月末までは民主党の最高顧問だった。その民主党幹事長の細野豪志氏からも「国益を損なうあまりに酷い発言だ」と真に厳しい。ここは鳩山元総理よ、放言もほどほどに—と、願いたい。(遯)