ニッケイ新聞 2013年7月11日
今年前半の国産映画の観客動員数が、昨年前半と比べて350万人から1360万人に増え、280%増を記録した。
国内の映画市場を分析するポータルサイト「フィルミB」によれば、昨年前半は100万人の観客を動員する国産映画が一つもなかった〃氷河期〃だったが、今年前半は完全に状況が好転したようだ。
国内で製作された映画は、今年前半で1360万枚余のチケットを売り上げ、収益額は1億4400万レ(約63億3600円)。昨年前半の3700億レ(約16億2800万円)からは289%増となった。
今年前半で観客動員数100万人を突破した5本の国産映画は共にコメディの『De Pernas Pro Ar2』『Vai que Da Certo』『Minha Mae e uma Peca』の3本。
残りが、90年代に2千万枚もの販売記録を作った伝説的な人気ロックバンド、レジオン・ウルバーナのリーダー、レナト・ルッソをテーマにした映画『Somos Tao Jovens』『Faroeste Caboclo』の2本だ。
「去年が悪すぎたので数字があまりに大きくなっているが、それでもブラジルの映画業界は成長し、影響力のあるものになった」と同サイトのディレクター、パウロ・セルジオ・アルメイダさんは語る。
ちなみに、今年に入って公開された映画の中で最も観客動員数の多い作品は、米映画の『アイアンマン3』。当地での興行収入は9600万レ(約42億2400万円)とダントツだ。
ブラジルでは国内の映画業界が未熟なこともあり、外国の映画の方が人気が高い。だが、2012年前半、映画館への観客動員数そのものが7160万人、そのうち国産映画を観た人は5%に過ぎなかったのが、今年前半は7280万人のうち18・8%に向上した。(10日付フォーリャ・デ・サンパウロ紙より)