ニッケイ新聞 2013年7月11日
セルジオ・カブラル・リオ州知事が空軍のヘリコプターを私的に不正使用した疑いで、リオ州検察局が調査に乗り出している。9日付伯字紙が報じている。
カブラル知事のへリコプター乱用疑惑は、先週末に発売された「ヴェージャ」誌の報道で明らかになった。それによると同知事は、2011年に970万米ドル(当時の価格で1520万レアル)で購入した空軍ヘリコプターで、毎週金曜日に夫人、子供、家事手伝い、飼い犬を、リオ南部海岸のマンガラチーバの別邸に運ばせている。
日曜にはリオ市内に戻るためにヘリコプターが2往復する。最初は本人も含めた家族、次はお手伝いが利用する。
同知事は、レブロン地区の自宅アパートにほど近い空軍の飛行場と州庁のあるグアナバラまでのわずか10キロの通勤にも、ヘリコプターを毎日のように使っている。
ヴェージャ誌によると、ヘリコプターの運用費は知事の家族の利用だけで年間380万レアルかかるという。また、リオ州の経済データによると、2010年は年間680万レアルだったヘリコプターの使用費は、12年には950万レアルに跳ね上がっている。
報道後、野党側の州議員たちは知事の行動は職権乱用だとして辞任を求める動きを起こし、州検察局もヘリコプターの用途を明らかにする調査の準備を進めている。
カブラル知事は8日、ブラジリアでの会議の帰りに報道陣にこの件について尋ねられると不快な表情を浮かべ「何も私だけがやっていることではない。騒ぐようなことでも珍しいことでもない」と取り合わなかった。
ここ最近、エンリケ・アウヴェス下院議長をはじめ、同知事所属の民主運動党(PMDB)党員による空軍機濫用疑惑の報道が続いている。