ニッケイ新聞 2013年7月12日
政府への一連の不満を訴えた労働組合による全国統一ストが「全国闘争の日」の11日、各州で決行され、主要道路の封鎖、バス運行停止、抗議行動などが起きた。11日付エスタード、フォーリャ紙、G1サイトなどが報じた。
政党色抜きのストは、単一労センター(CUT)、フォルサ・シンジカル、総労連(UGT)など8組合、5集団によるもので、その他、金属工や銀行員、商店員、公務員など、各職種の労働者が参加した。
主な要求は、給与を維持したままで、労働時間を週44時間から40時間に減らす時短だ。その他、PIB(国内総生産)の10%の教育への投資、連邦政府予算の10%の医療への投資、公共交通機関の改善、年金制度の見直しなどが含まれた。
CUTは、ジウマ大統領が打ち出した政治浄化を目指した国民投票実施を訴えた。ヴァギネル・フレイタス組合長は「議員の好きなようにさせてはいけない。国民投票、政治改革を求める。議会は我々労働者の声を聞くべきだ」と声を荒げた。
ABC地区金属工組合のラファエル・マルケス組合長は、主にインターネット上の呼びかけで全国に広がった〃抗議の波〃に対し、批判的な見解を示した。「ここには面を被った奴はいない。我々は顔を見せて、堂々と独裁体制と戦う」と訴えた。
主要道路の封鎖は全国18州の80カ所で確認され、サンパウロ市ではパウリスタ大通りの両方向が一時完全に封鎖された他、コンソラソン通りなどでデモが行われた。
サンパウロ市メトロとCPTM(パウリスタ都電公社)は通常通り運行したが、バスは午前9時から、市内29のターミナルの機能が停止された。
抗議行動は全州で行われた。サントス、リオ、ベロ・オリゾンテ、エスピリト・サントでは議会や市役所に向けたデモが起き、セルジッピ州では、州都アラカジュ市長を模した人形に火をつける者もいた。サンパウロ州ではモジ・ダス・クルーゼスの組合員によるデモ集団の一部が、アイルトン・セナ大通り沿いにある金属加工会社の門を破って侵入、生産停止を図った。
なお、前日の10日午前中はバスの運転手と車掌らの組合によるストがあり、サンパウロ市のバスターミナルの半分以上が機能停止、夜はサンパウロ市リベルダーデ区の組合本部前で銃撃戦となり3人が撃たれ、8人の負傷者を出す事態となった。
この混乱は、11、12日の同組合の理事会選挙に抗議する意図で起こしたもので、再選を目指すイサオ・ホソギ組合長(60)を頭とする現体制派に対抗するグループが、午前8時から正午まで、29のターミナルのうち、16の機能を停止させた。これにより、1320路線のうち400路線、あわせて75万人が影響を受けた。
同組合はノヴァ・セントラル・シンジカルの傘下で約3万7千の会員を擁すが、組合幹部をめぐる争いは根が深く、この20年で16人の死者を出している。