ニッケイ新聞 2013年7月16日
中西部トカンチンス州出身のオジエニ・ヴィエイラ・バルボーザさん(25)が、行方不明になっている娘(1歳11カ月)のアレサンドラさんを探している。
オジエニさんは、ウクライナの首都キエフに6月12日から滞在している。娘の父親であるウクライナ人男性(47)と、一緒に生活するという約束でウクライナに渡ってきたのだ。
しかし、父親は牛乳を買いに行くと言い残し、6月27日に娘と家を出たきり戻っていない。
オジエニさんによれば、男性は住んでいたアパートの家賃の支払いを済ませており、家を出たときも、7月19日発のブラジル行きの航空券を残していったという。
問題は、オジエニさんが全てをその男性に任せきりだったことだ。ウクライナ語がわからず、お金もなく、街を知らず家までの道がわからないため、家も出られない。働くためのビザも持っていない。(ブラジルとウクライナは2011年、短期間の観光ビザを撤廃する協定を結んでいる)
「全ては最初から計画されていたのでは」—。追い詰められたオジエニさんは故郷のトカンチンス州の州都パルマスに住む家族に助けを求めており、誘拐の可能性もあるとみた同州の軍警が、国際刑事警察機構(Interpol)と協力して捜査に乗り出している。
軍警によれば、もし見つかった場合、父親は逮捕される見込みだが、「犯人は母国にいるために、両国の外交問題に発展する可能性がある」としている。
オジエニさんは、そのウクライナ人男性とインターネットで知り合った。2人は同じオンラインの英語のレッスンを受けており、「生徒の広場」で会話が始まった。
「同州のフィラデルフィアに不動産を持っているためにブラジルには仕事でよく来る」と言う男性と、パルマスに住んでいたオジエニさんは会うことになり、そこから今の関係に発展した。
2011年にオジエニさんは妊娠し、男性はカナダへの出張の合間にブラジルを訪れていた。娘が生まれてから、男性はウクライナで一緒に暮らそうとオジエニさんに持ちかけた。オジエニさんの家族は強く反対したが、その反対を押し切る形で今年4月にブラジルを出た。ウクライナに着く前にはアルゼンチン、フランスにも一時滞在したという。(11日配信のグローボ局ニュースサイトより)