ニッケイ新聞 2013年7月16日
ブラジルでの社会ネットワークサービスとインターネットにアクセスできる携帯電話の普及に伴い、従来は連続テレビ小説(ノヴェーラ)などに占領されていた夜8時、9時台のゴールデンタイムやサッカーの試合中もフェイスブック(FB)やツイッターにアクセスして友人達のコメントを楽しむ人が増えている。
携帯電話を片手に二つの画面を見比べ、コメントを入力したり、他の人のコメントを読んだりする。ノヴェーラやスポーツでこんな楽しみ方をする人が増えたのは、FBだけで7300万人の利用者がいるブラジルならでは。FBユーザーの数は世界2位で、携帯電話でアクセスするユーザーは全体の52%に上る。1年前は携帯電話でFBにアクセスするユーザーは30%だったというから、携帯電話を利用するユーザーは飛躍的に増えた事になる。
携帯電話でアクセスするユーザーの強みは「いつでも、どこでも」で、携帯によるFBユーザーの70%は毎日ページを開いているという。携帯電話ユーザーのページ閲覧率はコンピューターでの閲覧率より高く、携帯電話を使うユーザー向けのアプリケーション開発や導入、携帯電話用の宣伝作成はウエブサイト開設者にも必須事項だ。
現在のブラジルで携帯電話を使うFBユーザーは3800万人だが、ビデオなどの閲覧も可能なスマートフォン利用者は半数程度。約1900万人は、インターネットへの接続や、写真や文書の交換だけが可能な、よりシンプルなタイプの携帯電話を利用している。
コンサルタント会社のComscore社によると、世界では、テレビを見ながら携帯電話で社会ネットワークサービスにアクセスするFBユーザーは40%程度いるという。
同社が行ったユニリーバ(Unilever)の商品を使った実験では、セーダと呼ばれるコレクション商品の写真を画面にはめ込んだビデオを4本用意し、ノヴェーラの「アベニーダ・ブラジル」に出演していたイシス・ヴァウヴェルデに関する情報提供という文を組み込んだところ、ビデオは見られないタイプの携帯からのアクセスも含むFBへのアクセス数が400%増加。ビデオへのアクセス数は96万回に達した。
ラテンアメリカ全体で3200万人のユーザーがいるツイッターは、スマートフォン利用者が50%。こちらも、半年前の40%から飛躍的に伸びている。ツイッターの場合、しばらく前から、夜8時〜11時の時間帯はテレビの宣伝とアクセス数との間の相関関係に気づいていたという。
FBもツイッターもどの時間帯にどんな宣伝を流すかは入札によって決めるが、スマートフォンの普及で増えたのは、朝一番にFBにアクセスするユーザー数だ。携帯電話によるFBへのアクセス数は1日平均13・8回で、携帯電話ユーザーによるアクセス数が多い時間帯はお昼前頃から深夜までで、テレビのゴールデンタイムよりずっと長いという。(15日付エスタード紙より)