ニッケイ新聞 2013年7月16日
政治家の私的な移動での空軍機利用が指摘されている問題で、42の連邦政府機関の関係者が今年前半だけで1664回も空軍機を利用し、2011年前半と比べ39%増えたと13日付エスタード紙、15日フォーリャ紙などが報じた。
空軍機は1日9回飛んでいる計算で、一昨年は6・6回、昨年は8回とその数は年々増えている。カリェイロス上院議長は今年2月〜6月に27回利用し、2012年同期のサルネイ元上院議長の18回を上回る。アウヴェス下院議長は主にナタールへの移動で6月までに47回利用した。
政治家の空軍機利用について定めた2002年の法令で利用を認めているのは、副大統領、両院議長、最高裁長官、閣僚で、治安や医療上の緊急事態、出張、永続的な自宅がある地への移動の三つの場合だ。ただ、党関係や私的な約束で生じる公用に、空軍機が使われている例は少なくない。
アロイジオ・ヌネス上議は、アモリン国防相に2010年以降の空軍機利用状況に関する説明を求めており、回答は30日以内に上院に提出されることになっている。しかし、空軍側は「搭乗者の名前は事前に登録されるが、名前のリストは到着後に廃棄されるため、複数の政治家が乗り合わせた場合はわからない」と説明している。
これに対しヌネス氏は「空軍ほどの統率された組織で、その安全を保障する責任がある、しかも公金を使っている搭乗者名の記録を残していないなんておかしい」と非難している。
下院議長、アウヴェス社会保障相はそれぞれコンフェデ杯最終戦の観戦、上院議長は結婚式出席のために空軍機を利用し、各々一定の額を返金しているが、連邦検察庁では、違法性の有無や返金された額が適正かどうかを調べている。