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TAM機事故から6年=8月から遂に裁判始まる

ニッケイ新聞 2013年7月18日

 2007年7月17日、サンパウロ市のコンゴーニャス空港でブラジル航空史上最大の惨事が起こった。それがTAM航空3054便のオーバーラン事故だ。
 この日の午後6時50分頃、リオ・グランデ・ド・スール州ポルト・アレグレからの同便は、コンゴーニャス空港に着陸した際、滑走路で止まることなく左にそれ、道路を越えて空港敷地外に飛び出し、TAM航空の貨物取扱場がある建物とガソリンスタンドに衝突して爆発炎上。199人の命が犠牲となった。
 その後の調べで、事故の原因は担当パイロットのエンジン操作のミスとされたが、同滑走路はかつてから水はけが悪かったこと、同空港の滑走路が安全基準の2500メートルよりもはるかに短い1940メートルと1435メートルしかないことも指摘された。
 同空港の施設の安全性はかねてから危険視されており、2007年2月にサンパウロ地裁が同空港でのジェット機使用を差し止める命令を出したが、運営面での打撃を理由に同空港が反対し、解除されていた。
 それから6年、同事件に関する裁判が8月7日、サンパウロ地裁でようやく開始される。当初は7日と8日の2日間で、原告・被告の証言と供述を全て行う予定でいたが、証言だけで膨大な量になることがわかったため、この2日を原告証言にあて、被告側の証言を11月11、12日に行い、12月3、9、10日に原告側の供述を行う予定となっている。被告側の供述の日取りはまだわかっていない。
 この裁判で告発されているのは、TAM航空の保安部長だったマルコ・アウレーリオ・ドス・サントス・デ・ミランダ・エ・カストロ被告、TAM空港操縦部副部長だったアルベルト・ファジェルマン被告、民間航空監督庁(ANAC)局長だったデニーセ・マリア・アイレス・アブレウ被告の3人。いずれも、事故現場が事故を引き起こしかねない劣悪な環境にあったにかかわらず、対策を打たなかったことの責任を問われている。(17日付グローボ局サイトより)