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JMJまであと5日=デモの恐れで警戒モード=少ないサンパウロ市の外国人巡礼者

ニッケイ新聞 2013年7月18日

 23〜28日にフランシスコ法王を迎えて主にリオ市で行われる「ワールドユースデー」(JMJ)まで1週間を切った。同市では期間中、観光客80万人を含む500万人以上の人の動きが見込まれ、滞在中の法王の安全を守る立場のAbin(国家情報部)、陸軍、連邦警察などは、期間中に起きる可能性のある市民によるデモを〃主な脅威〃とみて、法王が参加するプログラムやルートの変更を検討中と17日付フォーリャ、エスタード両紙が報じた。
 22日午後5時から、州知事官邸のグアナバラ宮で、カブラル州知事、パエス市長らが出席して法王のレセプションが行われる見込みで、ジウマ大統領との面会も予定されている。
 しかし、官邸では既に何度も抗議行動が起きており、このイベントへの巨額の公費投入に反発するマニフェストも予告されているため、関係者はレセプション会場を、法王が降り立つガレオンの空軍基地に移す可能性も検討している。
 関係者は法王が偶発的なデモに巻き込まれることを危惧しており、できる限り地上での移動を避けたい意向だ。状況によっては直前に予定を変更したり場所を移したりする可能性も否定できないという。
 市長は、「コパカバーナに、ナタル1回とレベイロン2回(年末年始の祭り)が一度に訪れるようなもの。全てが懸念材料」とした上で、「国の問題を訴えるデモに、直接関係がない法王を巻き込むべきではない」と警戒心を強めている。
 イベントに先立ち、16日からは全国でセマナ・ミショナーリアが始まったが、サンパウロでは外国人巡礼者の数が関係者の予想を下回っている。サンパウロ大司教区では昨年12月の時点で3万人の外国人巡礼者を予想していたが、16日の時点の来聖者は1万人にとどまっている。
 「欧州の経済危機が巡礼者が少なかった理由ではないか」。こうみるのは、日系三世のジュリオ・アカミネ司教だ。自ら管轄するラッパ教区でも、3千人の予想を下回り、500人を受け入れているのみだという。
 サント・アマーロ司教区のマルコス・デ・ミランダ神父も、受け入れているのは5千人の予想を下回った2千人だとして、「〃抗議の波〃の暴力的なイメージが先行したのではないか」とみている。
 なお、サンパウロ州グアラチンゲタ市では16日、同市出身で聖人となった修道士フレイ・ガウヴォンの8メートルに及ぶ像を、サンパウロ州アパレシーダのアニャンガバウーのボン・ジェズス神学校に移動させた。法王は、24日にアパレシーダを訪問してミサを行う予定だ。
 法王は滞在中は「できるだけ民衆に会いたい」という意思を表明しており、期間中に予定されている演説やミサなどを全てポ語で行うことを伝えている。