ニッケイ新聞 2013年7月19日
ジウマ大統領の支持率急落により、ジョゼ・セーラ氏(民主社会党・PSDB)が2014年選挙でどういう選択をするか、注目度が高まっていると18日付エスタード紙が報じている。
かつてサンパウロ市市長(2004〜06年)とサンパウロ州知事(07〜10年)をつとめ、02年、10年の大統領選挙でも次点までこぎつけているセーラ氏は、14年大統領選にも意欲を見せていると言われている。だが、PSDBはアエシオ・ネーヴェス氏を大統領選に送り出すべく、同党党首にすでに選出。同党としては、セーラ氏には下院議員選もしくは上院議員選への出馬を望んでいる。
だが6月に全国規模でのデモが勃発し、ジウマ政権が批判にさらされると、セーラ氏の現政権への発言がメディア上に載る機会も増え、注目度も上がった。それにより、一度はしぼみかけていた14年大統領選立候補への意欲がここに来て再燃する気運も出てきた。
セーラ氏を大統領候補として支持する声は、PSDB党内でも根強く、主に南伯や中西伯の支部で強いという。だが、PSDB上層部は「わが党の大統領候補になる可能性はゼロだ」と語っており、サンパウロ州の党員たちも、セーラ氏が下院選に打って出ることを望んでいるという。
そこで注目されるのは、セーラ氏が他党に移籍して大統領選に臨むというシナリオだ。移籍先のひとつとして考えられるのは社会大衆党(PPS)だ。同党のロベルト・フレイレ党首はかねてからセーラ氏を高く評価しており、移籍説も以前から流れている。だが、同党が国家動員党(PMN)との合併に失敗したことで、PSDB内のセーラ派が移籍に難色を示しているという。
そこで浮上しているのが、社会民主党(PSD)への移籍説だ。ジルベルト・カサビ同党党首はセーラ氏がサンパウロ市市長時代の副市長で、以来、懇意の関係が続いている。同党所属の下院議員は48人で第4勢力のため、政見放送でも長めの時間が与えられる。昨年の全国市長選での当選者数も第4位だった。
ただ問題はPSDが14年大統領選でジウマ支持に傾いていることだ。同党内には反ジウマ派も根強く存在し、この件に関しては正式決定していないが、同党副党首のギリェルメ・アフィフ・ドミンゴス氏は現政権の大臣に指名されている。
側近の人々の話によると、セーラ氏は6月のデモ以来、政界復帰意欲が強くなっている。特に、ジウマ政権が批判されている経済面は自身の専門領域であるため、自信を見せているという。