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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年7月20日

『高田の街は、今でも夜になると本当に真っ暗になる。だって誰も住んでいない、住めない場所になってしまったから』。津波によって壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市から県連の招へい事業により来伯した大和田加代子さんは、記者に淡々とそう話した。
 街に残った住民の多くは、そこからほど近い市内の高台に住む。震災から2年たった今でも、遅々として進まない復興に絶望し、中には自殺する人までいるそうだ。
 彼女が話す「被災地」が、その全ての実像だとは思わない。それでも、苦しむ被災者が少なからずいることは事実だ。
 自分を含めて、その事実を身近に感じる機会のない人は、たくさんいるだろう。「日本のマスコミは暗い話題は中々取り上げてくれない」と大和田さんは言う。マスコミの役割とは何か、改めて考えさせられた。(酒)