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JMJきょうからスタート=リオの警備は厳戒態勢に=法王はファヴェーラ等訪問=サンパウロ州アパレシーダにも

ニッケイ新聞 2013年7月23日

 きょう23日からリオで、青年カトリック信者のための世界的なイベント、ワールド・ユース・デーが開催され、この3月にローマ法王に就任したフランシスコ法王も来伯して公式行事を行う。21〜22日付伯字紙が報じている。

 ブラジルでの初開催に加え、南米から初選出となった法王の就任後初の公式な国際訪問とあってかねてから注目されていたワールド・ユース・デー(以下JMJ)だが、22日付エスタード紙によると、事前に登録された巡礼者の人数は35万人で、当初予想された60万人を大きく下回っている。これは6月に起き、世界的に報道された全国規模のデモによる安全面への懸念によるものと思われる。
 今月に入ってもリオ市ではレブロンやイパネマでセルジオ・カブラル州知事の辞任を求めるデモが起きており、ジウマ大統領が18日にカブラル知事にJMJに際しての連邦政府からの警備援助を申し出た。だが、知事はそれを断り、リオ州の管轄で警備をやりきりたいと語った。
 今回のJMJに関し、リオ州は軍警や市警ら2万人を動員。さらに、連警700人、陸・空・海軍から計1万266人の武装兵が警備にあたる。25日と26日に法王が訪れるコパカバーナには1万人、27日から28日にかけて集会が続くグアラチーバには4千人の私服警官も配備される。
 また、法王自身が「民衆と触れ合いたい」との意向から、法王のリオ内での移動はヘリコプターや防弾車ではなく、オープンカーによるものとなるため、専用車の前後には8台の護衛車、周囲には12人の警官と軍警バイク4台、上空にも2機のヘリコプターで法王の護衛を行う構えだ。ヘリコプターでの移動には連警10人が付き添う。
 フランシスコ法王は22日にリオに到着し、州政庁(グアナバラ宮殿)でジウマ大統領やカブラル知事と会談を行った。
 23日はスマレーの研究所で過ごし、24日はサンパウロ州のノッサ・セニョーラ・アパレシーダの国立聖堂でミサを行う。聖堂内に入れる人は1万5千人だが、外の大画面でミサの様子を見る人も合わせると25万人規模になると見込まれている。
 法王は24日のうちにリオに戻り、夕方にはサンフランシスコ病院で薬物治療中の患者と面会、翌25日11時にはヴァルジーニャのファヴェーラを訪問、26日にはサンジョアキン宮殿で少年刑務所の受刑者代表と面会する。こうした行事には「貧しい人に優しい」と評判の同法王の意向が伺われる。また、25日夕方には法王の母国アルゼンチンからの巡礼者との面会も急遽決まった。
 法王は27日夜からグアラチーバで夜通し行われるイベントと閉会ミサに出席した後、ボランティアたちとも会見。28日夜、ガレオンの空軍基地で送別の式典を行った後、帰国する。
 今回のJMJでは、信者が減少傾向にある南米でカトリックが再び影響力を持つようになることが期待されている。ローマ帰着後は、汚職スキャンダルで騒がれたバチカンの再編成にも乗り出す構えと見られている。