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世界水泳でブラジル人が快挙=2人の選手が金銀を独占オープンウォーター女子

ニッケイ新聞 2013年7月25日

 7月19日からスペインのバルセロナで開かれている世界水泳選手権で23日、ブラジル代表選手が快挙を成し遂げた。海や川など、自然の水の中で行う長距離の〃オープンウォータースイミング〃女子10キロの部で、日系人のポリアナ・オキモト選手(30)が金、アナ・マルセラ・クーニャ選手(21)が銀メダルに輝いたのだ。20日の同種目5キロでもオキモト選手が銀、クーニャ選手が銅を勝ち取っており、圧倒的な強さを見せつけた。
 同じ種目でブラジル人選手が1位と2位を独占するのは、大会参加から35年目で初めて。オキモト選手は2009年ローマ大会の5キロの部銅メダリストで、クーニャ選手は2011年上海大会の25キロの部での金メダリスト。10キロの部優勝はブラジル水泳史上初の快挙でもある。
 昨年は苦難の年だったオキモト選手。ロンドン五輪に出場したが、低体温症を起こしたため、試合の途中で気分が悪くなって最後まで泳ぎきることができず、途中退場し、病院に搬送されるという屈辱を味わったのだ。その後は引退説もささやかれていた中で見事カムバックを果たし、今回の快挙を成し遂げた。
 「ロンドンで起こったことは本当に悪夢だった」。オキモト選手はスポールTV(SporTV、スポーツ専門チャンネル)の取材にこう答え、「何かの目標を達成すること、努力をするということはとても価値あること。この色のメダルがずっとほしかった」と喜びをにじませた。
 「応援してくれたスポンサーや、私を信じてくれたブラジル水泳連盟にはとても感謝している。昨年は大変な年だったけど、そんな中でも応援してくれた人皆にありがとうと言いたい」
 クーニャ選手も、「彼女と私の涙は、私たちが払っている犠牲を物語るものよ。ブラジル代表チームは頑張っている。今日は私たちが一番良かったんじゃないかしら」と感無量の様子だ。
 なお、このオープンウォーター10キロはオリンピックの種目でもあり、2016年のリオ大会でのメダルに期待がかかるところだ。
 ただし両選手が五輪に出場するためには、2015年の世界水泳ロシア大会で10位以内に入賞しなければならない。今大会ではメダル獲得はならなかったが、2011年大会は同種目で優勝したケリ-アン・ペイン選手(イギリス)、エバ・リストフ(ハンガリー)という強力なライバルが控えている。
 なお、オキモト選手は25日のオープンウォーター5キロ団体、クーニャ選手は27日の25キロにも出場する。現在のブラジル代表のメダル獲得数4個は、中国、スイスに次ぐ3位で、好成績を記録している。(23日配信エスタード・デ・サンパウロ紙電子版、24日配信レコルデ局ニュースサイトより)