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フランシスコ法王=薬物中毒者の治療施設へ=リオの〃ガザ地区〃も訪問

ニッケイ新聞 2013年7月26日

 【既報関連】24日にサンパウロ州アパレシーダでのミサでブラジル初の説教をしたフランシスコ法王は、同日午後、リオ市北部の聖フランシスコ病院を訪問し、薬物中毒患者回復センターの開設式に出席。25日午前中は、リオの〃ガザ地区〃と呼ばれたマンギーニョスやヴァルジーニャのファヴェーラを訪問して歓待を受けたと25日付フォーリャ、エスタード両紙やG1サイトなどが報じた。
 聖フランシスコ病院で薬物中毒患者らと会い、「あなた方は一人ではない」と励ました法王は、アッシジの聖人フランシスコがライ病人を抱擁した時からこの世の栄華を捨てて修道士となった事などに触れ、金や権力、成功、欲といった一時的なものを偶像とするなと説いた。一時的なものを追い求めるのではなく、キリストに従う事で正義と連帯の社会を築き、真の喜びを得るよう勧めた法王は、麻薬密売者達を〃死の商人〃と呼び、大麻などの麻薬自由化を検討中の南米諸国のやり方は麻薬問題の真の解決にならない事も強調した。
 この説教は、希望を持ち続ける、神の主権を認める、喜びを持って生きるの3原則を確認したアパレシーダでのものと基調を一にしており、同病院に入院して麻薬中毒を脱した青年も、自らの体験から麻薬は現代社会のライ病だと語った。
 リオの〃ガザ地区〃と呼ばれるほど危険なマンギーニョスやヴァルジーニャの訪問では、若者達に「汚職との戦いに疲れ果ててはならない」「悪に慣れ親しまないように」と諭した。
 どこへ行っても庶民との触れ合いを願うアパレシーダでもリオ帰還のためのヘリに向かう途中で専用車を降り、雨の中を歩いて車椅子の少年を祝福。その様子を見て39歳男性が抱き上げた2歳男児にも口付けをした。同様の出来事は空軍機との乗換え地のサンジョゼ・ドス・カンポス市や聖フランシスコ病院でも起き、マンギーニョスでも少年達を抱擁する法王の写真が各紙サイトに流れている。