ニッケイ新聞 2013年7月30日
ジウマ大統領がフォーリャ紙のインタビューに答え、全国規模で起こったデモのこと、ルーラ前大統領の復帰の噂、批判されている大臣職の増加やインフレ問題などについて語り、28日付同紙に掲載された。
インタビューは26日に大統領府で行われた。ジウマ氏は風邪で声もかれ気味な中、約3時間の取材に応じた。
まずデモに関して、「民主主義が浸透すれば人々はもっと欲しがるもの。国民が公共のサービスが足りないと感じるのであれば対応しないと」と答えた。
また、デモに伴う自身の支持率低下については「支持率には注目している。だが、高いものは下がるものだし、その逆もまた然り」とした。
一部で起きている14年の大統領選でのルーラ前大統領の再出馬の噂に関しては、「ルーラと私は離れられない関係だ」と不仲説をまず否定した上、「ルーラは政治の世界から抜け出していないのだから、ルーラが戻ることはない」と語った。その上で現政権がルーラ政権時と比較されることについては、「全く気にしない」とした。
さらに、大臣・長官らの数が過去最大の39人となり、支出が増えたと批判され、連立与党内で最大の協力党である民主運動党(PMDB)からも大臣職の削減を要求されている問題に関して、「どれも必要な職のため切り詰めることはない」と語った。また同時に、経済低成長やインフレの高騰により辞任を求める声が高まっているギド・マンテガ財相の処遇についても、「代わることはない」とした。
失業率やインフレ問題になると、ジウマ氏はカルドーゾ政権との比較を持ち出し、同政権の批判も行った。ジウマ氏は失業率が6月にこの4年ではじめて前年同月比を上回ったことに関して問われ、「第一次カルドーゾ政権(1995〜98年)のときの雇用創出は82万4394件だったが、現政権では30カ月で440万件創出している」と答えた。また、インフレに関しても「労働者党(PT)政権は10年連続で目標インフレ率を守ってきた。カルドーゾ政権は4年のうち3年は目標を達成できなかった」と切り捨てた。
自身が大統領になって以来、経済低成長が続いていることに関しては、「今は世界的に低成長の時代で以前のようにはうまく行かない」と語り「8月から来年の頭にかけて、高速道路や鉄道、空港の入札が続々とはじまるから、投資も活性化され、経済競争力も高まるはずだ」とし、今後への期待を表明した。