ニッケイ新聞 2013年7月30日
連邦政府による地方や都市周辺部の医師確保のためのプログラム「マイス・メジコス」の第一期募集が26日に締め切られ、定員数を3千件上回る1万8450件の応募があった。
ただし、45%にあたる8307件は、地方医療審議会(CRM)に登録された番号と名前の不一致や存在しない番号であるため、無効だった。27日付エスタード紙によれば、プログラムの進行を妨害するため、申し込みだけしておいて後から辞退する〃ボイコット〃の動きへの疑いがますます強まっている。
パディーリャ保健相は「実在しないCRMの番号での応募が8千件、研修医の応募も1200件ある」とし、「ボイコットを計画していたグループがいる」として連邦警察に捜査を要請した。
研修医の場合は研修を取りやめるという宣言書を提出する必要があり、一度申し込みをしたのに辞退した人は、半年間は再応募できなくなる。
現在までに3千人余の医師が、必要な情報を申告し、書類を提出するなどして申し込みを完了した。今後、希望勤務地を6カ所まで指定する。
マイス・メジコスは全国3511市が適用対象で、1万5460人の枠がある。政府は8月6日から残りの枠の募集を行う予定で、ブラジル人医師からの応募が少なければ外国人医師への呼びかけに力を入れる意向だ。
外国人医師は61カ国1920人が応募し、その大半がスペイン、ポルトガル、亜国出身者だ。 キューバで医学部を卒業した応募者もいたが、全員がキューバ人ではない。今のところ個人としての応募だが、キューバの場合は政府間で協定を結び、許可を得ないと渡伯が認められない。同相は「キューバの場合は別のモデルの協力関係になる。改めて検討を進める」としている。
なお、レヴァンドウスキー最高裁長官(代理)は、マイス・メジコスの実施差止めを求めるブラジル医師協会(AMB)の訴えを、「医師雇用政策の中断は国民に損害を与える」として退けた。