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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年7月30日

 世界180カ国の信者が集まったカトリックのワールドユースデー(JMJ)が終わったが、初の国際イベント参加のフランシスコ法王が先々で慣例を破る姿は、従来の法王のイメージとの違いとブレのなさを印象付けた▼就任直後に専用車の防弾ガラスを外す、質素倹約の精神で金の装飾品や赤い靴は使わず、銀の飾りと枢機卿時代と同じ黒靴、法王専用の居室に移らず法王選挙(コンクラーヴェ)の時に他の枢機卿と泊まった所に今もいるといった話が聞こえていたが、この姿勢は来伯中も不変だった▼ローマから来る時も帰る時もブエノスアイレス時代から愛用している黒いカバンを自ら手に提げてタラップを上り、巡礼者が差し出すクイアでシマロンを飲む事2度、常に笑顔で子供達を受け入れて口付けし、車椅子の人や高齢者に専用車を降りて挨拶▼来伯初日の渋滞で人々が周りに押し寄せた時も、「神の定めた時が来なければ死なない」し、(死ぬ)時が来たとしても神の計画なら恐れる必要はないと考えた法王。次回JMJは16年にポーランドでと発表した時の同国からの巡礼者達の喜びようは、〃この〃法王を迎えられるという喜びで増幅されたのだろう▼リオ市ではJMJ中もデモが続き、巡礼者に野次を飛ばしたり会場に押しかけたりしたデモ参加者もいたが、残念ながら、デモで叩かれる政治家達の姿は一貫性とはほど遠い。政治家には珍しくパエス市長が「27、28日の会場の急な変更は自分の責任」と発言したが、カリスマ法王の滞在は国民投票より効果的との評や、法王は多くの人の心を一つにし、最初の奇跡を起こしたとの言葉に思わず納得!(み)