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インフレ以上に小麦高騰=パラナの収量減も懸念材料

ニッケイ新聞 2013年8月2日

 今年に入ってからの小麦の値段は、アルゼンチンの不作なども手伝って20%以上値上がりしているが、7月の寒波で、パラナ州の農家が深刻な被害を受けた事で、毎日の生活に欠かせないパンなどの小麦製品が更に値上がりしそうだ。
 7月下旬に南伯を襲った寒波は雪や霜を伴う強いもので、地域によっては、小麦やトウモロコシ、葉野菜などが凍ったりする被害が報告されていた。
 1日付フォーリャ紙によると、パラナ州では現在、専門家を派遣して被害の実態調査を行っている段階で、今後の収量の予想などはまだ出ていないが、小麦の生産量が全国の51%を占めるパラナ州の小麦が、作付面積の半分が被害を受け、例年の半分程度の収穫しか見込めず、品質低下も避けられないとの見通しが現実のものとなった場合の影響は深刻だ。
 専門家は、全国の生産量の4%を占めるカフェについても、国際的な価格低下で収入が減る事を覚悟していた農家が、寒さの被害で二重の打撃を味わうことに対する懸念も表明。2014/15農年のカフェの収量は例年より20%少なくなると見ている。
 トウモロコシについては、寒さによる被害が出たのは25%程度の地域と見られているが、穀物減産は家畜用の餌の供給量や価格にも影響する。
 また、牧草が枯れたりした事で牧畜にも影響が出ており、同州で生産される牛乳も量の減少は免れないという。このところ全国的に値上がり傾向にある牛乳や乳製品の価格が更に上昇しそうだ。