ニッケイ新聞 2013年8月3日
2014年のW杯開催まで1年を切ったが、世界各国からの観光客を迎えるために試合開催都市で計画されている20件の空港拡張・改修工事のうち、10件の進捗状況はそれぞれ全体の30%にも達しておらず、工事が始まっていないところさえあると1日付フォーリャ紙が報じた。
同紙の調査によれば、開催12都市のうち、7都市(ベロ・オリゾンテ、ナタル、リオ、ポルト・アレグレ、クリチーバ、フォルタレーザ、クイアバ)で特に遅れが目立っている。
ベロ・オリゾンテのコンフィンス空港では三つの工事が予定されているが、2011年9月に始まり、最も進んでいるはずのターミナル拡張工事も、未だに26・8%しか完成していない。
同空港の新たなターミナル建設については、連邦会計監査院が最低の競争価格の調整を禁じたために民間業者が関心を失い、ブラジル空港インフラ業務公社(Infraero)が7月から仮ターミナルの建設を始めた。
ポルト・アレグレでもターミナル拡張工事が未だ始まらず、滑走路やエプロン(駐機場)の拡張工事については情報が一切明らかにされていないため、進捗状況も全く不透明な状況だ。
その他の空港の拡張工事も、クイアバでは18%、フォルタレーザでは27%、リオでは22%と、進み具合は遅い。唯一96%とほぼ完成が近いのはクリチーバの空港だ。
ナタルに至っては、民営化のための入札からほぼ1年経った昨年1月にようやく工事が始まった。工事を落札した企業連合の「Inframerica」は、W杯までの工事完了を約束しているが、入札後の監査を担当する国家航空庁(ANAC)によれば、同社に契約違反の罰金が科せられるのは、2015年1月までに工事を完了させなかった場合だけだという。
同空港までの道路整備は州政府の責任だが、こちらの工事も遅れが目立ち、W杯1カ月前の5月にならないと終わらない見込みだ。
民間業者が工事を担当する他の3空港での工事は、もう少し順調に進んでいる。進捗状況はそれぞれ、ブラジリアが35%、カンピーナスが36%、グアルーリョスが50%という状況だ。