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リオに南米の〃ミイラ〃集結=9日まで国際学会を開催

ニッケイ新聞 2013年8月8日

 昨今ではゾンビ、吸血鬼が映画やテレビの人気登場人物だが、かつてはミイラもよく登場していた。架空の物語の登場人物としてはすっかり影を潜めているが、科学者たちにとって実在のミイラは、過去を知る貴重な手がかりであり続けている。
 現代の最新技術でミイラを調べれば、数十世紀前、数千年前に亡くなった人の生活を、習慣、信仰、死に際する儀式だけでなく、食生活、病気に至るまで、より詳細に知ることができるという。
 リオデジャネイロ市北部にあるリオ連邦大学(UFRJ)内の国立博物館では6〜9日まで、「第8回世界ミイラ研究学会」が開かれ、世界各国から約100人の研究家が集まっている。
 「画像の質と生物分子学の分析技術が上がったことで、彼らがどのようにして生きていたのか、医療、食事などを知るだけにとどまらず、彼らの顔まで復元することができる」。博物館に所属する研究者で、学会オーガナイザーの一人、エジプト学者のアントニオ・ブランカグリオンさんはそう語る。
 ミイラを調べることで、たとえば動脈硬化のような病気の変遷も知ることができる。動脈硬化症はエジプトのミイラにもその形跡がみられており、多くの人がイメージするような、現代的な病気ではないのだ。ラムセス二世も罹っていたようで、そのことは当時の上流階級の人々が取っていた食事から推定されるとか。
 同学会がブラジルで開かれるのは初めて。博物館では南米諸国に残っているミイラの展示もされている。今回の学会開催は当地でのこの分野の研究発展に寄与することになりそうだ。(7日付オ・グローボ紙などより)