ニッケイ新聞 2013年8月8日
保健省が6日、大都市周辺や内陸部などの医師不足解消のために連邦政府が打ち出したマイス・メジコスの第1次採用者は938人と発表と7日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。今回の採用者は全員がブラジル人医師で、今後は外国人医師や国外で従事しているブラジル人医師の採用も始まる。
マイス・メジコスの第1次募集で採用が決まった医師は938人で、全国からの要請数1万5460人の6%のみとなった。派遣先の自治体数は404で、こちらは、3511に対して11・5%に相当する。
マイス・メジコスへは当初、国内で働くブラジル人医師だけで必要数の1万5460人を上回る1万6530人が応募と報じられたが、2日付フォーリャ紙によると、1日までに希望する任地なども含む正式登録を行った医師は2379人。その時点では希望する任地が需要と合致する1753人が626市に派遣と見られていたが、保健省の発表はそれを下回る938人、404市となった。
派遣先はセアラ州91人、バイア州85人、ゴイアス州70人、ミナス州64人、エスピリトサント州58人、ペルナンブコ州55人、リオ州49人、南大河州47人、サンパウロ州とアマゾナス州各45人など。地域別では、北東伯の203市372人が最多で、以下、南東伯77市216人、北伯49市144人、南伯53市107人、中西伯22市99人と続く。
採用者の51・8%は都市周辺部、残る48・1%は内陸部に派遣される。6日付G1サイトによれば、医師の約半数は2011〜13年に医学部を卒業、58・4%が男性だ。47・2%は23〜30歳で、25・48%は31〜40歳。61歳以上も9%いる。
また、派遣先は、人口の20%以上が極貧層に属する自治体が213、州都が24、その周辺が111、先住民自治区も16含まれている。
今後は、外国人医師や国外で働いているブラジル人医師の応募者1920人にも希望する任地の登録が認められ、15日に採用者の発表が行われる予定だ。15日までに採用が決まった医師は、9月から各地に派遣される。
ブラジル人医師採用数は当初の応募者の5・6%で、需要の6%しか満たせなかったが、アレッシャンドレ・パディーリャ保健相は、「この政策が導入されていなければ医師不足で泣いていたはずの自治体に、千人近い医師が派遣される」と驚きの表情さえ浮かべた。
6月の〃抗議の波〃の後に連邦政府が全国の医師不足解消の方策として打ち出したのは、月収1万レアルを保証しての医師確保、最低2年の公的医療機関での研修義務化(医学部のカリキュラムに組み込むという方針は撤回)と2017年までに1万1447人分の研修枠増員など。外国人医師などに課す国家試験の改訂に向け、医学部最終学年生にも国家試験への参加を促す方針で、受験者に400レアル支給という話も出始めている。