ニッケイ新聞 2013年8月8日
ノーベル平和賞候補にもなり、2010年のハイチ大地震で犠牲となった、小児科医で人道支援活動家のジウダ・アルンスさんが、カトリック教会の列福を受ける可能性がでてきたと7日付伯字紙が報じた。列福は、聖人(セイント)の次の位の福者(ベアット)の称号を受けることで、ブラジルではバイーア州での人道支援で知られるイルマン・ドゥウセが2009年に授かっている。
ジルダさんの列福については、慈善団体「パストラル・ダ・クリアンサ」理事長のアルド・ディ・シロ・パゴット大司教が、設立30周年の場で明らかにした。「ラジオ・バチカン」によると、列福への手続きは、パラナ州クリチバのモアシル・ヴィッチ大司教を中心に2015年に始まる予定で、バチカンの列聖省の許可が出次第、手続きに必要な証言などを集めるという。
アルド大司教は列服申請の際に難しいのはジウダさんの医師としての徳を立証することだというが、「それはもう世界が知っている」と語る。パストラル・ダ・クリアンサは2001年以降3度、ジウダさん自身も2006年にノーベル平和賞候補となっている。
1934年にサンタカタリーナ州で生まれ、パラナ州で小児科医として活動し始めたジウダさんは、1983年にブラジル全国司教会議(CNBB)の要請で小児慈善団体の「パストラル・ダ・クリアンサ」を設立。現在は、ボランティア20万人、南米やアフリカ、アジアの計20カ国に支部を持つ団体に成長している。93年には高齢者向けの慈善団体「パストラル・ダ・ペッソーア・イドーザ」も設立した。
ジウダさんは2010年1月12日、ハイチでの講演中に大震災に遭い、75歳で亡くなった。サンパウロ司教区のパウロ・エヴァリスト・アルンス名誉大司教はジウダさんの実兄だ。