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PUCの新学長問題=裁判所が任命無効の判決
ニッケイ新聞 2013年8月9日
【既報関連】サンパウロ市のカトリック総合大学(PUC—SP)で昨年11月、同大学を運営するフンダソン・サンパウロ会長のオディーロ・シェレル大司教が、学内選挙で3位だった同大のアナ・マリア・シントラ教授を新学長に指名したことで、学生が権利の侵害と猛抗議をして起こした裁判で、同教授の任命を無効とする判決が下された。3日付エスタード紙が報じた。
今月1日に出た判決では、同教授の就任は、「学内の最高決定機関である大学評議員会の決定を無視し、階層的な手順を経た審議の原則を侵害するもの」としている。
この結果を受け、原告側の同大の学生代表機関(CA)は、「昨年と同じメンバーで再び大学の評議会を開き、現学長が再び学長選挙を実施してくれることを願う」とコメントしている。
同大学とフンダソン・サンパウロは、2日の時点では正式な通達を受けていなかったが、通達を受け次第、上告する意向だ。同大法学部教授のマルコス・カマロザノ氏は「合法性という意味で裁判所の判断を仰ぐことは正しいかもしれないが、大学の独立性を保つという意味で、この判決は受け入れられない」との判断を示している。