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大統領選予測=ジウマの支持率持ち直す=マリーナ票順調に伸びる=地下鉄疑惑でPSDB下降=PTはサンパウロ州知事奪取に意欲

ニッケイ新聞 2013年8月13日

 7〜9日に行われたダッタフォーリャの世論調査の結果が9日に発表され、ジウマ大統領(労働者党・PT)の支持率が持ち直したが、依然、マリーナ・シウヴァ氏(持続ネットワーク・RS)との決選投票が予想される。民主社会党(PSDB)党首のアエシオ・ネーヴェス氏は、地下鉄カルテルのスキャンダルに同党が絡んでいるとの疑惑故か、支持率を落とした。10〜12日付伯字紙が報じている。

 ダッタフォーリャ調査の「14年大統領選で誰に投票するか?」の問いで、ジウマ大統領の支持率は前回の30%から35%に持ち直した。
 ジウマ大統領は同時に行われた現政権への評価でも、「良い/最高」が30%から36%へと回復した。前回調査は6月に起きた全国規模のデモ直後ということもあり、支持率がほぼ半減したが、昨年末から上昇しつづけていたインフレへの懸念が今回調査では54%から53%へとわずかながら下がったことなどが、今回の支持率回復に繋がったようだ。
 一方、大統領選予想2位のマリーナ氏も支持率を23%から26%にあげており、大統領選は決選投票にもつれこむとの予測は不動だ。
 マリーナ氏のRSは現在、新党としての承認待ちの段階だ。10月6日までに49万2千人の署名を集めて選挙高裁の承認を得なければ立候補できないが、登記所には55万人分を送ったのに、確認作業が遅々として進まず、まだ19万分しか登録されていない。
 他方、PSDBのアエシオ・ネーヴェス氏は、同党がサンパウロ市地下鉄などのカルテル・スキャンダルに関与した疑いを持たれているせいか、前回と同じ3位ながら17%から13%へとダウンした。また、PSDB候補を前回10年の大統領選に出馬したジョゼ・セーラ前サンパウロ州知事にした場合、アエシオ氏より高い15%の支持率を得た。
 PSDBは大統領選をアエシオ氏で臨む意向を崩しておらず、セーラ氏が大統領選に出馬するには、離党して同氏に関心を示す社会大衆党(PPS)と組むしかないと見られている。
 カルテル・スキャンダル発覚以来、PTがPSDBへの攻撃姿勢を強めている。9日、前大統領のルーラ名誉総裁は14年サンパウロ州知事選の同党候補に、アレッシャンドレ・パジーリャ保健相を指名した。パジーリャ氏は連邦政府内最年少の41歳で、最近、賛否両論を呼んでいる医療政策「マイス・メージコス」発案者としても知られている。ルーラ氏は発表の席で、「14年選挙でジウマ再選と我が党初のサンパウロ州知事誕生の夢が叶ったら、私はもう安心して死ねる」と言い切っている。
 サンパウロ州知事は1995年以来、PSDBの牙城が続いているが、ルイ・ファルコンPT党首は今回のスキャンダルを「トレンサロン」と呼び、「PSDBのサンパウロ州支配は終わりだ」と意気込んでいる。それに対し、PSDB名誉総裁のカルドーゾ元大統領は「PTと同じ穴のむじなにするな」と相手にせず、カルテル疑惑の企業シーメンスの文書で、名前があがったセーラ氏に関しても、潔白を主張した。