ニッケイ新聞 2013年8月13日
サンパウロ市で今年、デング熱との診断を受けた人が昨年1年間の2倍以上になっていることがわかった。12日付エスタード紙が報じている。
サンパウロ市で今年1月から7月にかけて、デング熱と診断された人は2457人を数えたが、これは既に2012年1年間で記録した1150人の2倍以上の数字にあたる。またデング熱による死亡者は2人だった。
患者発生が特に目立ったのは市周辺部で、同地域では3〜4月に市全域での患者総数の72%の患者が発生している。
デング熱患者が特に多い地域は西部のリオ・ペケーノで、232人の感染が確認されたが、これを比率に直すと、10万人あたり195・8人がデング熱との診断を受けたことになる。また東部のカンガイーバも人口10万人あたり85・6人の患者が発生している。逆に中央部のリベルダーデや北部のカーザ・ヴェルデなど、以前は数値が高かった地域では発生率が下がっている。
デング熱の流行は3〜4年周期だと言われているが、今年のサンパウロ市の場合は、4型ウイルスに罹患する危険性が高い年だという。4型の症状は1〜3型ほど強くないが、2度目に罹患すると出血熱などの重傷を引き起こす危険性がある。
サンパウロ市のデング熱対策への予算は年20万レアルだが、サンパウロ市公務員組合(Sindsep)は「防止キャンペーンのための車さえない状態だ」と、市の対策に対し不満を述べている。