ニッケイ新聞 2013年8月13日
東京・池袋にある複合商業施設「サンシャインシティ」は創設35周年を記念したイベントの一環として、施設全体を使用した『フェスタ・ド・ブラジル』を開催する。ブラジルの独立記念日である9月7日を皮切りに、5週間に渡ってブラジル文化を紹介する展示、音楽ショー、セミナー、映画上映などが企画されている。付近の繁華街を貫通する「サンシャイン60通り」では、サンバカーニバルも行われるなど、地区全体を盛り上げる大規模な催しとなりそうだ。プロジェクトメンバーの一人、成保明彦さんは「ブラジルの魅力を少しでも多くの人に理解してほしい」と期待を見せる。
「5年前からの念願だった」と語る成保さんによれば、計画の立案は開業30周年を翌年に控えた2007年。02年の日韓W杯でブラジル代表チームが優勝したことをきっかけに「全館イベントとして30周年の目玉に」と温めていた企画だったものの、採用には至らず断念した。
ブラジルへの旅行経験があり、東京・浅草で開かれる「浅草サンバカーニバル」にも出場した大木淳嗣さんが2011年に入社、翌12年に成保さんとともに35周年記念イベントの企画検討プロジェクトのメンバーに抜選されたことを契機に計画が再始動した。
ショッピングセンター、水族館、展望台、プラネタリウム、ホテルなどからなる複合商業施設全館を通じた大規模なものとなる。継続的な開催も視野に入れ、毎年10万人規模を集客する代々木公園での『ブラジルフェスタ』を例に挙げながら「『ブラジルイベントといえば代々木かサンシャインシティ』と呼ばれるだけのものにしたい」と成保さんは意気込みを見せる。
敷地内の最高層ビル「サンシャイン60」の展望台で、カーニバル衣装の展示、音楽の体験などブラジル文化にスポットを当てた展示が行われるほか、水族館ではアマゾンに住む生き物が紹介される。屋外特設会場にはシュラスコブース、高層眺望レストラン街「スカイレストラン」でも当地郷土料理が用意されるなど、ブラジル食にも力を入れる。
【サンシャインシティ】
日本最大規模の副都心の一つである池袋にある複合商業施設で、年間来街者数は約3060万人。施設内での就業者数は2万人に上る。1日の乗降客数が250万人を越える池袋駅から徒歩8分の位置に立地。