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JTBがブラジル進出=アラツール社と合弁会社=企業向けサービスに重点

ニッケイ新聞 2013年8月13日

 株式会社「ジェーティービー」(JTB、本社東京都、田川博己代表取締役社長)が、当地の大手旅行会社と初の合弁会社「Alatur JTB Viagens e Turismo S.A. (Alatur JTB)」を設立、ブラジルをはじめ、南米での事業拡大を進める。
 当地の大企業を顧客にもち、ビジネス関係事業に強い「ALATUR VIAGENS E TURISMO S.A」(以下アラツール社、従業員1200人)が主要な事業部門を移管し、新会社として設立。今年10月に営業を開始(予定)、JTBは100%出資会社の「JTBアメリカス社」を通じて経営参画する。
 5年間、JTB・USA社のNY支店長をつとめ、3月からJTBアメリカス社に勤務する田尾健二郎・企業部事業開発部長(50、山梨)によれば、「JTBはレジャーの印象が強いと思うが、近年出張ビジネスが増えている。特にニューヨークでは南米行きがすごく売れている」。
 国内需要が縮小する中、グローバル化を進めているJTB。ビジネス関連の需要拡大にこたえると共に、従来の日本発旅行業を、世界各地をつなぐ事業へと発展させていく方針だ。「日系企業向けの部門も設け、将来的には南米に進出しているアジア企業向け営業も始めたい」としている。
 当地では、現地企業に強いアラ
ツール社の特長を活かし、「当面はコーポレート(企業関係)に専念し、現地に根を張ったビジネスを展開していきたい」と言う。企業の会議や研修旅行、展示会などのビジネスイベント事業(MICE事業)のほか、W杯や五輪など大型イベントにおける法人向けインバウンド(受け入れ)事業も手がけていく。
 新会社の所在地はサンパウロ市セントロ区のイタリアビル内で、資本金は4830万レアル(約19億5千万円)。JTBアメリカスが47%、アラツールが53%を出資した。約15億8500万レ(約713億円)を来年の売上げ目標に掲げている。