ニッケイ新聞 2013年8月15日
13日に下院が、エウリコ・ガスパル・ヅットラ政権時代に議員権を抹消されたブラジル共産党(PCB)の下院議員14人に、その資格を象徴的に復活させる儀式を行った。
14人の議員が連邦議会を追われたのは1948年だ。ブラジルでは、1945年10月13日に起きた軍事クーデターによってヴァルガス政権が倒れた後、46年に新憲法を制定。45年の選挙で当選したPCB下議達も議会の一員として活動していた。ところが47年に選挙高等裁判所がPCBの政党登録を抹殺。PCBは最高裁に上告したが、48年に制定された法令211/48号により、PCBに所属する下院議員14人の議員権は抹消された。
議員権を剥奪されたPCB議員は、ブラジル文学アカデミー終身会員でもある作家ジョルジ・アマド氏や〝都市ゲリラの教祖〟として有名なカルロス・マリゲラ氏などで、13日の式典には本人や家族、遺族、友人ら数十人が出席した。
下院が議員権抹消を無効とし、14人の下議への議員権返却を決めたのは3月。式典では前記2人の他、マウリシオグラボイス、ジョアン・アマゾナス、フランシスコ・ゴメス、アゴスチーニョ・ディアス・デ・オリヴェイラ、アルセド・デ・モラエス・コウチーニョ、グレゴリオ・ロウレンソ・ベゼーラ、アビリオ・フェルナンデス、クラウディーノ・ジョゼ・ダ・シウヴァ、エンリッケ・カルデイロ・オエスチ、ジェルヴァジオ・ゴメス・デ・アゼヴェド、ジョゼ・マリア・クリスピン、オズワルド・パシェコ・ダ・シウヴァの各氏の名誉復活が宣言された。
最初に顕彰されたのはマリゲラ氏の孫マリア・マリゲラ氏で、祖父の議員認定証とバッチを受け取ると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。マリアさんは「PCBの議員達は皆、ブラジル国民を愛していた」と声高く叫んだ。
式典ではエンリッケ・アウヴェス下院議長が下院の名によって謝意を表明。ブラジル共産党(PCdoB)のマヌエラ・ダヴィラ下議は、「14人の議員追放は大きな間違いだったが、下院が正式な謝罪をするのに半世紀以上を費やした」と、対応の遅れを指摘した。(13日付グローボ局サイトより)